2週前の台風19号の豪雨による川の氾濫や崖崩れ被害に続いて、ここ数日も関東ではまたもや前線による大雨に見舞われ、報道では千葉県内等で水害のニュースが。そして我が北関東でも、いまだに郷里桐生の隣の栃木県足利、佐野で甚大な河川氾濫被害の後遺症が報道されている。自然災害はいつの時代も、これからも不可避とはいえ、一刻も早い人的(家屋等の物的な部分は今後も完全には無理だとしても)事前回避対策を、行政そして地域小コミュニティー個々の人達に求めたいものである。
さて。台風つながりとはいえ話は全く変わるが、台風や低気圧等の強さを示すのに天気予報でよく言われるのが〈ヘクトパスカル(hPa)〉。これは国際基準の気圧単位である。かつては、年配の方々には懐かしい〈ミリバール〉と言われていた。しかし〈ミリバール〉は国際単位ではなかったので、日本では呼称の切り替えが1992年末に行われ現在に至っている。この〈ヘクトパスカル〉の語源だが、〈ヘクト〉が〈100倍〉という意味なのは置いといて〈パスカル〉とは何か?そう。勿論あの『人間は考える葦である』で有名なブレーズ・パスカルのことである。パスカルは、大気圧の存在を初めて実証的な方法で示したことや圧力の伝わり方に関する〈パスカルの原理〉を発見したことでも知られ、また10歳にもならない頃に現代では常識となっている様々な定理を17世紀当時自力で証明した、歴史的早熟天才の1人である。そしてそのような気圧や圧力の概念確立に貢献したパスカルの大偉業を称え、物理系単位の1つとして彼の苗字が1971年国際単位に正式に採用されたのである。
前置きが長くなった。何が言いたかったというと、ダノンプレミアムである。パスカルと同じく〈早熟の天才〉と言ったら大偉人パスカルに失礼か。でも2歳~3歳のダービー以外の全レースで無類の瞬発力を発揮し他馬を寄せ付けなかった強さは衝撃的だったし、ダービー後長期休養を挟んで4歳になってからまた金鯱賞とマイラーズを楽勝したのを見れば、彼が単なる早熟馬ではないことは明らかである。
戦績をよく見て欲しい。8戦6勝である。2回しか負けてないのだ。それも、まずダービーは故障明けで距離も2400mはちょっと長かったのだろうし、前走の安田記念に至っては論外。あのスタート直後の武豊の酷い斜行は、落馬してもおかしくなかった程の大きな不利であり、馬自身も(そして騎手も)やる気を損ねても仕方ない。
もちろん反論もあろう。まず安田記念についていえば、「同じように不利を受けたアーモンドアイは猛然と盛り返してタイム差無しの3着に来ている。それを考えれば、最後川田が追わなかったとはいえ、しんがり負けというのはどういう事なのか。これは精神面が脆弱ということではないのか」というもの。まぁ…確かにそれは認める。また別の意見として〈ディープインパクト産駒早熟論〉がある。2歳~3歳で大活躍し、GⅠの大きいところを早いうちに獲ってしまった馬が、古馬になってからパッタリというケースが多いのだそうだ。マカヒキ然り、サトノダイヤモンド然り。だからダノプレもすでにピークは過ぎたと。しかし俺はそれは違うと思う。だいたいディープ産駒なんて腐るほどいるし、上記のようなタイプもいれば、逆に晩成型もいるだろうし、能力長続き型だって。そしてダノプレに関して言えばまさに能力長続き型であることは、上述したように明白である。2000mまでなら潜在能力は同期のワグネリアンより上、レベルの低い3歳のトップであるサートゥルよりも上、そして大げさではなくアーモンドアイと同等だと思う。
だから、だ。レースでは不利なく、精神的にキレることなく走ってほしい。確かにレースは水物、特にGⅠは各馬、ジョッキーが凄まじいテンションで鎬を削る場なので危険度はかなりある。再びトラブルに巻き込まれて惨敗もありうることは重々承知している。それでも、否、だからこそ、いつも精いっぱい走る絶対女王・アーモンドや3歳代表・サートゥルに、能力は同等あるいは上なのに、安田記念のあの為体のせいで世間の評価がガクッと下げられ、オッズも水をあけられた微妙な立ち位置のこの馬に、勝負師としては賭けてみたいと思うのはおかしい事だろうか?
以下の対応が可能です。
※ミュート機能により非表示となった投稿を完全に見えなくなるよう修正しました。これにより表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。