瀬戸内海に浮かぶ小さな島、大久野島をご存じでしょうか。
広島県の忠海港からフェリーで約15分。周囲4.3kmの小さな島です。
現在900羽超の野生のうさぎが生息することで世界的にも有名になったこの島へ行って参りました。
そして、SNSで目にするたくさんの可愛らしいウサギの姿だけではない、この島が直面している問題を実際に目にして、とても重い気持ちで帰宅しました。
今こうしてパソコンの前に座っていても、ずっとこの島のことが頭から離れません。
17年近く、ずっとこの島に通って、ウサギを観察し、人間の介入が必要な場合は利害関係者に訴えてこられた方々の努力で、うさぎ達の生活環境は以前よりも改善されてきているようではあります。
入れ替わり立ち代わりで島に滞在し(もちろん全額実費)、その時に必要な作業をするボランティアの方々もいます。
私は2名の女性の方にお話を聴くことができました。
この島にはそこまで豊富な水源はありませんが、それなりに水分を調達して数を増やしてきたウサギたち。
ところが観光客が持ち込む餌により、必要以上に喉が渇くようになったことと、雨が少ない年があることから、給水トレイの設置をしたそうです。
真水による蚊の発生を防ぐために定期的な交換の必要があるため、彼女たちはカートを引いて、全部で何か所あるか分からない給水トレイの水を交換していました。
野生で生きる動物はみな、いや、ペットでもそうですが、いや、人間だってそうですが、病気にかかる時には病気にかかる運命です。
大久野島のうさぎの場合はカラスですが、何かしら天敵が存在し、傷つけられて命を落とすこともまた野生動物の宿命です。
ただ、観光客が原因で命を落とすことだけは、どの野生動物の場合も受け入れがたい事実に感じます。
人間がむやみに残したエサがカラスやイノシシを引きつけて仔ウサギが狙われる。
人間が配慮のない運転をするために、自転車と衝突して事故死するウサギが増加している。ボランティアさんはこれまでに何度もその現場を目撃しているそうですが、事故死したウサギをその場で放置して去っていく人がほとんどだそうです。
などなど。
いろいろなお話を聞いて、この島の未来のためにこれほどまでに長い間活動を続けている人達がいることを知り、自分も無知な観光客だったと、とても恥ずかしくなりました。
また大久野島へ行くことは確実なので、次回はボランティアさんと一緒に活動することをお約束して島を去りました。
滞在2日間、私はひたすら歩いて、少しでも多くのウサギたちの様子を見ました。
iPhoneの歩数計は合計で42323歩。
電動自転車のカゴに大袋の餌を入れ、適当にばらまいている人達は、私が見た健気に生きるウサギたちの姿は決して見ることはできない。そのような観光客の意識を変えることが、本当に大切だと感じました。
以下の対応が可能です。
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