牛山隆信氏が多大なる賛同を集めた“秘境駅”という言葉を、私も使いたいと思う。
その牛山氏による“秘境駅ランキング”第一位の小幌駅(北海道虻田郡豊浦町)に、きょう初めて降りた。
あまりにも神格化され過ぎたため、連休明けの平日にもかかわらずなんと合計4人も下車した(笑)
両方向をトンネルに挟まれただけでなく、さらに急傾斜地と海に遮られた正真正銘の“秘境駅”。
人家?
そんなものは、皆無。
公表されている一日平均乗車人員は、判で押したように毎年ゼロ。
ちなみに廃駅とならないのは、地元の豊浦町がバックアップしているから。
ただひたすら。
徹頭徹尾、静かな時間と空間。
雨降る小幌駅で、私は。
初対面の3名の同志とともに、駅名標を撮ったり通過する特急「北斗」を見送ったり少し話したりした。
危惧していた熊や蝮やスズメバチには、幸い一切出会わなかった。
当然のごとく、待合室もベンチもなかったけれど。
他の駅でもそうであったように、時が止まったかのようなプレミアムなひとときを咀嚼することができた。
滴をほしいままに受けた四方すべての葉という葉は、「小幌ここにあり!」と言わんばかりに雄弁だった。
あたかも、色気をふりまく女性のようだった。
もちろん、私の一存で小幌駅の今後の存続を決めることはできない。
しかし、“キング”の称号に相応しいこの駅が願わくば一日でも長くその地位を保ち続けてほしいと心から思った。
確かな喜びとともに、私は“キング・オブ・秘境駅”を後にした。
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