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らすかるすずか
  北海道
オグリローマンと桜花賞
2015/04/06 18:55

今週末はクラシック第一弾、桜花賞。
「桜の女王」という言葉には、華やかさと同時にどこか儚さを感じてしまう。
ここから名牝への道を歩みだす馬もいれば、生涯で最も輝いたレースが桜花賞、以後振るわないままターフを去っていく馬もいる。
1994年の桜花賞馬、オグリローマンはまさにここを限りに咲き誇った桜のような馬だった。

ただ、彼女は単に「桜の女王」だけで片付けられない馬でもある。
ローマンの母はホワイトナルビー。
つまり、あのオグリキャップの妹という金看板を背負いながら走り続けたからである。

1991年、ブレイヴェストローマンとホワイトナルビーの間に産まれた芦毛のローマンは、兄と同じく笠松競馬でデビューした。
7戦6勝、ほぼ完ぺきな成績を残した彼女の背中には、兄の主戦でもあった安藤勝己騎手の姿があった。

1994年、満を持して中央に移籍。
緒戦のエルフィンSでは9着と不覚を取ったが、続くチューリップ賞で2着に入り、桜花賞への切符を手にする。

4月10日。その本番ではローブモンタント、ノーザンプリンセスに続く3番人気に支持される。
韋駄天娘スリーコースが軽快に逃げる中、中団に位置した彼女は直線鋭く伸びて、先行したツィンクルブライドをとらえ、1着。
手綱を取った武豊騎手にとっては、シャダイカグラと前年のベガに続く3度目の桜花賞制覇である。
当時、タレント佐野量子との結婚を控えていた武騎手を祝福するかのように、2着はツィンクルブライドであった。

しかし何よりもこの勝利が劇的であったのは、兄オグリキャップが果たせなかったクラシック制覇を、妹が成し遂げたことにある。
兄はクラシック登録がなく、当時は追加登録制度もなかったので皐月賞、ダービーなどとは無縁であった。
ローマンはクラシック登録があり、桜花賞は母とともに兄にも捧げる勝利だったのだ。
ファンはそんな彼女の偉業を祝福し、兄同様に「オグリコール」を送った。

自分の使命を果たしたかのようにその後の彼女は勝ち星から見放され、12月の阪神牝馬特別13着を最後に引退、繁殖入り。
産駒から現時点で華々しく活躍する仔には恵まれず、2011年に繁殖からも引退、そして今年の3月にこの世を去った。

今でもあの勝利は、心に残っている。
「オグリ」とはそれだけ特別な存在の代名詞であり、私の世代にとっては若き日の大切な思い出の馬である。

写真は2013年秋、稲葉牧場にて。
場長さんと彼女を見ながらお話させて頂いたのが、昨日のことのように思えてくる。

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