先週福島の奥の細道特別(芝2600)を勝ったカノンという馬。
父がダート短距離で結果を出しているフォーティナイナーズサンということで、どこにその長距離適性があるのかと血統を調べてみたら、それが大変に渋い血統であることを知って、思わずうなってしまった。
まず母父がメジロティターン。
いうまでもなく「メジロの天皇賞三代制覇」の二代目である。
3200メートルだったころの天皇賞(秋)の勝ち馬で、あのメジロマックイーンの父だ。
これを見て長距離適性の秘密がわかったが、この先がすごい。
母の母の父がサンオーイ(!)
1983年の南関東三冠馬であり、のち鳴り物入りで中央入りして同期の中央クラシック三冠馬ミスターシービーとも対戦したことがある。
種牡馬としては笠松の名馬トミシノポルンガを出したくらいで、しかも若くしてこの世を去ったので、もうその血は残っていないものだと思っていた。
こんなところでサンオーイの名を再び目にするとは思いもしなかった。
さらに、母の母の母の父がグスタフ。
1977年の菊花賞馬プレストウコウを出した種牡馬だが、走ったのはこのプレストウコウくらいで、いつしかひっそりと忘れられていった馬である。
短距離向きの父から菊花賞馬が出たということで、当時意外性を持って受け止められていたようだ。
いやはや、ここまでマイナーな馬の組み合わせで走る馬が出てくるとは。
次にどこを使うかはわからないが、出てきたら是非チェックしたいと思う。
「血統」というと小難しいイメージがあるが、私は血統とはその馬の履歴書のようなものだと思っている。
生産者の熱い思いがそこには込められている、と思うのだ。
カノンは牝馬だから、引退すれば繁殖入りする可能性がある。
その配合相手が、これまた渋くて味のある馬であれば、ぜひ応援したいと思う。
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