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らすかるすずか
  北海道
シルポートとマイラーズカップ
2015/04/23 19:05

逃げ馬はレースの華だと思う。
サイレンススズカのように行く気に任せて逃げ切ってしまう馬もいれば、ツインターボのように4コーナーまでは快調に飛ばすのに、そこで後続に捕まって馬群に飲み込まれる馬もいる。
競馬の切なさ、儚さがその走りに凝縮されているように思う。

シルポートは、近年珍しくなった個性派逃げ馬の一頭である。

父はホワイトマズル。
ビハインドザマスク、イングランディーレなど、極端な走りをする個性派を多数輩出した種牡馬である。
母の父はサンデーサイレンス。
近親にはサウンドオブハートなどがいる。

2008年にデビューした彼は、6戦目に初勝利を挙げた。
その後も煮え切らないレースを続けていたが、逃げを会得することで、徐々にその才能を開花させていく。

2010年、難波Sで逃げ切り勝ちを収めてオープン入り。
そして初めての重賞出走となったのがマイラーズCだったが、逃げ潰れてリーチザクラウンの12着、次走の都大路Sでオープン初勝利。
この頃から、徐々に逃げ馬として注目され始める。
この年は、天皇賞(秋)にも出走を果たし、12着に終わったものの年末のファイナルSでオープン2勝目。
翌年に希望をつなげた。

2011年は飛躍の年となった。
正月の京都金杯で、7番人気ながら逃げ切り勝利を収め、重賞初制覇。
人気となった東京新聞杯などでは案外な結果に終わるも、マイラーズCで重賞2勝目。
安田記念で4番人気に支持されるまでになったが、ここは8着に終わる。
とはいえ、2年連続で天皇賞(秋)出走も果たし、すっかりその存在は全国区となった。

2012年。
京都金杯では逃げ潰れるものの、中山記念で2着に入り、続くマイラーズCを逃げ切って連覇達成。
このレースの連覇は、トウメイ、ダイタクヘリオスに次ぐ史上3頭目であった。

だが、この後はマイルCSでの4着が精いっぱいで、他は掲示板にも載れずに終わっている。
それでも、毎回レースを先導するのはこの馬であり、観衆はひたむきな姿に熱い声援を送った。

2013年は中山記念で3着とまずまずの滑り出しであったが、4年連続出走のマイラーズCは14着と、3連覇は果たせなかった。
年齢的にも衰えは隠せず、その後は連続二けた着順。
宝塚記念で10着となったのち、骨膜炎を発症、引退の運びとなった。

G1勝ちもなく、逃げという極端な脚質の馬ではあったが、幸運にも種牡馬入りが決定。
現在はレックススタッドに繋養されている。

草食動物である馬は、ライオンなど肉食動物に食べられないために逃げることを宿命づけられている。
逃げ馬たちの走りは、そんな習性の名残であるように思えてならない。
シルポートの子供たちは、父同様に逃げを打って観衆を沸かせてくれるだろうか。

写真は2013年、宝塚記念のパドックにて。

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